家庭教師の適性
家庭教師の人格
家庭教師は塾とは違い生徒の家庭にお邪魔して授業を行います。
こちらのテリトリーではなく相手のテリトリーの中で勤務することになりますので、通常のバイト以上に緊張するでしょう。
生徒の家庭の中で働きますのでもちろん親とも接する機会がありますし、なにより雇い主は生徒の親になります。
授業をするうえで生徒との相性も大事ですが、親との関係も悪くなったらバイトを長く続けることは難しいでしょう。
直接の雇用主となる生徒の親に気に入られること、信用を勝ち取ることの出来る人柄が家庭教師の適性のひとつになります。
そしてたったひとりの生徒に信頼されることも家庭教師には必要なことです。生徒も自分ひとりしかいないという状況での授業に緊張します。
同じく教師も1人きりで1人だけの生徒に向き合い、さらにお互いにまだ大人と言えるほどの人格者ではありません。
そのため良い人間関係を構築しなければ気持ちよく授業を行うことができず、人見知りや口下手な人はその問題をクリアするのに時間がかかってしまいます。
お互い打ち解けない中でふたりっきりの授業をしていくのは誰でも苦手でしょうし、生意気な生徒で勉強をする気が全く無いようではこちらもやる気をそがれます。
それでも雇われている以上面倒をみなければいけませんし、勉強が好きではない子供相手でも授業時間はしっかり勉強させなければ家庭教師は勤まりません。
知識があって頭が良いだけではなく、こういったことに対処できる人でなければ家庭教師の適性があるとはいえないのです。
自分の感情を抑える
家庭教師に最低限必要なのは自分の感情を律することが出来る精神力です。つまりオトナであるということです。
子供相手の仕事になるので、自分も子供では勤まらないのです。勉強を教える生徒は当然自分よりも理解力や知識が足りていませんので、
授業中にも何でそんなことが分からないのか、さっき同じことを教えたのに、教えたことが全然身に付いていない、指導したはずなのに予習復習をしていない、
返事だけはいいけどやる気が全く感じられない、成長しているとは思えない、といらいらさせられることも多々あるでしょう。
ですが感情的になり相手を叱ってはいけません。家庭教師ならその感情を押さえて相手を諭すという立場で接しなければ、生徒の信頼を得られません。
大声で叱ったりネチネチと嫌味を言うのではなく、生徒がいやな気分になってマンツーマンの授業が苦痛にならぬよう、優しく寛大な気持ちで接してあげなければ家庭教師失格です。
生徒の学力や態度に対して感情的にならないように自分を抑えて、自分の求める通りの結果が出ないからといって生徒に辛く当たったり厳しい態度を取るようでは
教師である自分もまだまだ子供です。それでは何も改善されませんし生徒のやる気も起きません。
家庭教師には学力レベルだけではなく対人スキル、コミュニケーション能力も求められるのです。
信頼関係を築く
家庭教師は勉強を教えるのが主な仕事内容ですが、それだけなら他にもいくつか存在する学力を伸ばす方法で充分といえます。
ひとりで勉強しても分からない事があれば参考書を調べることで解決しますし、学校なら先生や友達に答えを聞くことで納得することができます。
とはいえ参考書で調べるにも分からない事が多ければその分時間もかかりますし、学校で質問するにしても他にも質問したい生徒が多くいると、限られた時間の中でしか使えない方法です。
家庭教師なら時間内はその生徒の疑問にだけ応えてくれますので、先生を独り占め出来るというメリットがあります。
ですがその時間を生徒が有効に使うには、先生とある程度親密になっていなければ難しいかもしれません。
話しやすさとでもいうのでしょうか、ちょっとした疑問点や分からない事がある場合に気軽に質問することが出来る関係が望ましいでしょう。
いくら自分だけの先生といっても近寄りがたいオーラが出ていたり、あまり話をしたくないな、授業中は出来るだけおとなしくしてさっさと時間が過ぎるのを待とう、
という関係では生徒も積極的に質問をしてくれません。
それで勉強が捗らず成績も横ばいのままで損をするのが生徒だけならともかく、その生徒の成績を上げるために雇われている家庭教師である自分も、
この人がいたって子供の成績は変わらないな、期待ハズレだった、と評価が下がってしまいます。
家庭教師という立場である以上はしっかりと生徒との信頼関係を築き上げて、二人三脚で成績を上げる努力をしていかなければなりません。